北八ヶ岳の登山案内:How to 登山

北八ヶ岳の登山案内

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How to 登山
How to 登山などと仰々しくタイトルをつけましたが、これから登山をはじめる方や初心者の方に
これだけは知っていてほしいことを書きました。北八ッの無雪期を想定しています。

はじめに
皆さんが山登りをする目的は何でしょうか?
自然にふれる、写真、健康管理、達成感等、人それぞれあると思いますが
山において最終的にリスクを引き受けるのは自分です。
そして、それは日常の生活より間違いなく高いということです。
しかしながら、基本的な準備と心がまえでそのリスクを限りなく低くすることもできます。
目的を達成することも大事ですが、一番大切なことは、「安全」ではないでしょうか。
その2つのバランスをとって素晴らしい山旅をしてください。

山登りと健康
山登りは健康でなければできません。
山登りの基本は「歩く」ということです。極端に言えば他の要素はいりません。
ただ登山道は、平坦ではありません。登ったり下ったり、岩がごつごつしていたり、ぬかるんでいたりそういう道を歩くだけです。皆さんは日常生活で1日どの程度歩かれていますか。
山に入ると移動手段は、自身の足だけです。電車もタクシーもありません。動けなくなったらそれまでです。最低限そのルートを走破できる体力と健康は必要です。ご自身の健康状態を見極めて(当日も含め)ルート選択を行ってください。
どの程度歩けるか見当がつかない方は、行程が2、3時間程度から始められたらよろしいと思います。北八ッでは、麦草峠から白駒池を周って麦草峠へ帰るルートがお薦めです。
持病をお持ちの方は、充分に医師に薬のことを含め相談してください。
長野県山岳センター資料によると平成15年度長野県内の遭難原因で病気は、転・滑落についで多く、増加傾向にあります。

山登りをすると健康になります。
なにより下界の喧騒を忘れ、自然の織り成す景色に浸れば、日頃のストレスなど吹飛びます。
もちろん精神だけでなく肉体的にも健康にしてくれます。
高低差のある所を数時間歩くことにより持久力、筋力がつきます。また、標高の高いところ(低酸素)での有酸素運動ですから、心肺機能が鍛えられ、ダイエット効果もあります。(専門的なことは、他のサイトで探してみてください。)
山登りは、過度の負荷をかける運動ではありません。(山ヤさんを除く)
山は息を切らして登るものではないのです。(歩き方で詳しく説明します)
「自然の中に浸りながら身も心も健康にしてくれる」それが山登りです。
準備
1. 下調べ
   ルートが決定したら、そのルートの性質(どの辺りに一番きついのぼりがあるか等)を地図   上で調べましょう。また、緊急時におけるエスケープルート等も検討してください。
   当日の天気を気象協会等に問い合わせ、悪天候が予想されるときは、日延べしましょう
   家族に山行予定表を渡しておきましょう。
2.  服装/装備
   服装・・・肌着は、綿の物は避け化繊やシルクのものを着用しましょう
        虫刺されや怪我防止のため長袖、長ズボンを着用するようにしましょう
        2000mを超えるため夏期でも風など天候により、体感温度が予想以上に
        下がることがあるため上着を用意しましょう。
        また、平地に比べ紫外線が強いです。必要な方は、日焼け止めを用意しましょう。
        靴は、足首までサポートされた、履き慣れた登山靴、トレッキングシューズを
        使いましょう。
   装備・・・北八ヶ岳を日帰りで歩くのに特別な装備は必要ありません。
        基本的なものをあげます。
        雨具、水筒、懐中電灯、タオル、時計、地図、コンパス、救急薬品、昼食、行動食
        保険証写し、ゴミ袋、軍手、その他嗜好品
3. 睡眠
   前日は、十分に睡眠をとり体調を整えてください。
地図の読み方
登山者が使う地図には、2種類あります。国土地理院「地形図」と「登山地図」です。
前者は、余分なことは一切記入されておらず、本格的な登山や沢登り、道なき道をいかれるような方に適しています。北八ヶ岳を歩かれる限りでは、一般的な登山用の地図で十分だとおもいます。
縮尺と実際の距離 等高線
縮尺 地図上1cm 間隔
1/25000 250m 10m
1/50000 500m 20m

等高線
  文字通り同じ高さを結んだ線のことです。等高線の間隔が狭いと急斜面、逆に広いと緩斜面
  です。等高線から地形(尾根と谷)を読めるようにしましょう。

主な地図記号
針葉樹 広葉樹 ハイマツ地 荒地 水準点 三角点 山頂
登山道と区界線を見間違えないようにしましょう。
登山道 市町村区界 郡市都の区界

真北と磁北
 真北とコンパスの示す北(磁北)には「ずれ」があります。
 八ヶ岳付近では、6゜40′西へずれています。地図を見るときに東(右)へ回してください。
 また、出発前に地図上に磁北線を記入しておくと便利です。
 真北と磁北のずれ具合は、地図に記入されています。
天気を予想する
天気は山行に大きな影響があります。お出かけになる地域の気象情報を調べ悪天候が予想される時は、日延べされるか十分な準備をしてお出かけください。

高気圧と低気圧
 高気圧は、中心に下降気流がおこり、中心から外側へ向かって右回りの風が吹きます。
 低気圧は、中心に上昇気流がおこり、外側から中心へ向かって左回りの風が吹きます。
前線
 前線では、寒気と暖気の接触によって上昇気流が起こり雨を降らせています。
  温暖前線、寒冷前線、閉塞前線、停滞前線の4種


 雷には、夏に平地の空気が暖められ上昇して雲を作り起こる熱雷と寒冷前線のための
 上昇気流によって起こる界雷があります。

 盛夏期でも早朝から秋のような快晴の日は注意
 ラジオのノイズ(AM)が出たら注意
 雷3日の諺・・・・山で雷が発生すると同じ場所で3日は続く。但し時間はまちまち
 
 雷にあったら
  安全な場所へ避難・・・・岩陰や木陰。木陰では根元から少しはなれる。   姿勢を低くし、頭より高いものを出さない。   大勢のパーティーのときは分散して避難   ハイマツやザックの上に座り直接地面に触れないようにする。   金属類は、肩より上のものははずす。金属類は身につけていない方がいいように思いがち   ですが不幸にして落雷にあったとき腕時計やネックレスで放電して、心臓や内臓に致命的   なダメージを受けずに済んだ事例があります。  
歩き方
ゆっくりと小さい歩幅で呼吸に合った一定の足運びをし足の裏全体を同時につくよう歩きます。

ゆっくり歩く
  「山登りと健康」でも書きましたが、山は息を切らして登るものではありません。   特に歩き始めは、ハイペースになりがちです。意識してゆっくり登りましょう。
  しかしダラダラ歩いていては、いつまでも目的地に着かずかえって疲れてしまいます。
  体力にあわせ一番効率のよいペース、マイペースで歩くことが肝心です。では、マイペース
  とはどの程度のスピードでしょう。まず、何度も書きますが、息があがらず特に休憩を取らな
  くとも済む早さです。また、心拍数でその目安を知ることができます。
           目安となる心拍数=(220-年齢)×0.65から0.85
                       220とは、赤ちゃん(人間)が肉体的に耐えられる最大値
  登山中に心拍数を計るのは面倒ですが、何度か繰り返し見当がつくようにしましょう
  
小さい歩幅
  歩幅が大きくなるとその分だけ足を高く上げなくてはなりません。余分な大きな力が必要に
  なります。ショートカットをして得をしたような気分になりますが、結果的には余計に疲れるだ
  けです。

呼吸に合った一定の足運び
  リズムを一定にすることで、一番効率のよいエネルギー消費を続けることができます。
  一番効率のよいエネルギー消費とは、脂肪を燃焼させることです。
  運動には、瞬発的に大きな力を必要とする無酸素運動と長時間弱い力をかけ続ける有酸素
  運動があります。前者は短距離走などで脂肪は燃焼されず、糖分(グリコーゲン)を燃焼させ
  ます。後者は、持久系の運動でマラソンやエアロビクス、登山などです。有酸素運動では、
  糖分(グリコーゲン)と脂肪を同時に燃焼させエネルギーに変えます。糖分(グリコーゲン)は、
  早くよく燃えますが持続しません。一方脂肪は燃えにくい反面、効率よく長く燃焼します。
  しかし糖分(グリコーゲン)がないと燃焼しません。ちょうど焚付と薪の関係に似ています。
  有酸素運動では、いかに焚付の消費を抑え、薪を燃焼させるかがポイントとなります。その  割合は、糖分(グリコーゲン)を優先しつつ不足分を脂肪で補う形で運動の強度に応じて身体
  が切り替えています。ですから一定のリズムで歩くことが効率よくエネルギーを消費すること
  なのです。
  よく「バテル」といいますがこれは体内の糖分が不足することでおこります。糖分が不足する
  ことにより脂肪も燃焼されずエネルギーを生み出す事ができないのです。ですから必要に応
  じてこまめに糖分の補給を取る必要があります。ただし、糖分のほうが優先的に燃焼されま
  すので余り大量にとりますと逆効果になります。また、脂肪の燃焼には30分程度の運動が
  必要です。歩き始めほどゆっくり歩きましょう。
  
  ばてた時の特効薬
  ばてないことが大切ですが、もしそうなったときは、エネルギー補給としてブドウ糖、筋肉疲
  労回復には、カリウム(バナナ)、ナトリウム(梅干)、アミノ酸サプリメントなどが効果的です。
  
休憩
  よく本などでは、50分歩いて10分休憩しましょうと休憩も一定のペースで取ることがいいとさ
  れていますが、必ずしも時間通りに休憩に適した場所があるとは限りません。休憩場所は、
  落石等危険のない安全な場所で、他の登山者の邪魔にならないことが第1条件です。
  また、景色が素晴らしい等、精神的にも休まるところが必要かもしれません。
  私自身は、休憩のための休憩は基本的には取りません。道端に咲く高山植物に目を奪われ
  たり、野鳥のさえずりに耳を傾けるため立ち止ることはあります。このような休み方も一興で
  はないでしょうか。
  水分補給
  水分はまめに取るようにしましょう。
  体重1kgあたり1hに5g必要といわれています。
  60kgの人が8時間行動    60×8×5=2400   2.4リットル必要となります。
  
救急法
  熱中症・・・水分が不足し発汗による体温調整ができなくなり体温が上昇する。
   予防   こまめな水分補給、帽子の着用
   対処   木陰などで日差しを避ける、塩分を含む水分補給
         冷却(首、脇に濡れタオルなどをあて血液を冷やす)

  低体温症・・急激に体が冷え、中核部体温が35度以下になる。
   症状   体温が下がる。顔色が悪くなる。意識が朦朧となる。
   対処   暖かい部屋へ移動。乾いた服に着替える。意識があるときは温かい飲み物を与
         える。但しアルコールは厳禁

  高山病・・・高所での低酸素、低圧、低温によりおこる
   症状   頭痛、めまい、疲労感、食欲不振
   対処   深呼吸などで酸素の補給する。すぐに眠るのは、酸素吸収量が下がるので避け
         る。頭痛薬の服用(但し睡眠作用のないもの)

  止血法
   止血法には、程度の軽い時に用いるものから直接圧迫法、間接圧迫法、止血帯の使用と
   3種類ある。直接圧迫法は、傷口に直接タオルなどを当て強く抑えることで止血する。
   直接圧迫法で止血できない時は、間接圧迫法を用いる。間接圧迫法は、腕なら付根、足
   なら太ももの付根を強く圧迫することで止血する。上記の方法で止血できないときは、止
   血帯を用いる。止血帯は、傷口より心臓に近いところをきつく縛り血流をとめる。この方法 
   は、縛った先には血液は流れず危険なため、長時間の使用は避ける。また止血を始めた
   時間を記録し直ちに救助を要請する。長時間搬送が必要なときは、時々止血帯を緩める。

救急処置や心肺再生法などは、消防署等で講習会が開かれています。機会があれば是非ご利用ください。

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